今回は「ビタミンC誘導体」について解説していきます。
美白や毛穴対策にと基礎化粧品を調べているとよくこのワードを目にしますが、
具体的にビタミンC誘導体ってどんなものだろう?と疑問に思ったことはありませんか?
ビタミンC誘導体は、種類ごとに性質や働きが少しずつ違います。
違いを知ることで、こんなメリットがあります。
- 自分の肌悩みに合った成分が選べるようになる
- 効果を実感しやすくなり、失敗しづらい
- 化粧品選びに時間とお金をムダにしにくくなる
ビタミンC誘導体は奥が深いですが、ポイントを押さえれば選び方に自信が持てるようになります。
この記事が自分の肌にぴったりのアイテムを見つけるヒントになれば嬉しいです。

具体例として、筆者が6月から使い始めた
「ドクターシーラボ V100エッセンスローションEX」
に配合されているビタミンC誘導体についても解説していきます♪
ビタミンC誘導体とは、壊れやすく浸透しにくいビタミンCを安定化させ、肌に届けやすくした成分のこと


ビタミンC(アスコルビン酸)は、もともと結晶粉末の成分で、「ピュアビタミンC」とも呼ばれています。
このピュアビタミンCは水に溶けると酸素と反応して酸化しやすく、光や熱にも弱いという性質があるんです。
(この記事では、こういった状態を「不安定」と表現しています。)
ビタミンCは単体では壊れやすく、肌への浸透性も低いため、
皮膚に直接使用するには不向きというデメリットがあります。
そこで、肌に浸透しやすく、より長くとどまるように工夫されたのが「ビタミンC誘導体」です。
化粧品成分検定公式テキストでは、ビタミンCについてこのような記載がありました。
一般的にビタミンCそのものは、自分が酸化することで相手の酸化を防止するため、周りに酸素があると作用が半減します。
しかし、リン酸アスコルビルMgのように”リン酸”と”Mg”が加わることで安定した構造になり、皮膚の角質層に長くとどまることができます。その効果は12時間以上とされています。
ビタミンCの肌への効果
1. 美白作用(メラニンの生成を抑える)
ビタミンCは、シミのもととなるメラニンを作る「チロシナーゼ」という酵素の働きをブロックします。
また、シミの原因であるメラニンが作られるのを抑え、一度作られてしまったメラニンも脱色してくれる作用があります。
→ シミ・そばかすの予防に有効とされ、多くの美白化粧品に配合されています。
2. 抗酸化作用(肌の老化を防ぐ)
紫外線やストレスによって発生する「活性酸素」は、肌細胞を傷つけ、老化の原因に。
ビタミンCはこれを無害化する抗酸化作用が強く、くすみ・たるみ・ハリ低下の予防になります。
3. コラーゲン生成のサポート
肌の弾力を保つのに欠かせないコラーゲンの合成を助ける働きがあるため、
毛穴の開き・小ジワ・ハリ不足などにアプローチできます。
4. 皮脂の分泌を抑える
ビタミンCには皮脂分泌をコントロールする作用もあり、テカリや毛穴詰まりの予防に◎。
ニキビができやすい方にも向いています。
5. 炎症の抑制
軽い抗炎症作用もあるため、赤みやニキビ跡の色素沈着などにも一定の効果が期待されます。
ビタミンC誘導体の3つの種類と特徴
まずは見やすく一覧にまとめました。
詳しい解説は下にスクロールをお願いします。
種類 | 特徴 | 主な成分例 |
---|---|---|
親水性 | 水に溶けやすく、即効性があるが酸化しやすい。 比較的安価で継続使用がしやすい。 | アスコルビン酸2-グルコシド(安定性が高い)、 アスコルビルリン酸Na(APS)、 リン酸アスコルビルMg(MAP) |
親油性 | 油になじみやすく、肌にしっとり感がある。 即効性はあまりないが、水溶性より肌に浸透しやすい。 | テトラヘキシルデカン酸アスコルビル(VC-IP)など |
両親媒性 | 水・油どちらにもなじむバランス型。 肌なじみが良く、安定性と浸透性のバランスがよい。 | 3-O-エチルアスコルビン酸(EAC)、 パルミチン酸アスコルビルリン酸3Na(APPS)など |
親水性(水に溶けやすいタイプ)
- 特徴:濃度によっては乾燥や刺激がつよくなることも。
- 安定性がある分ゆっくり浸透していくため、効果は比較的マイルド。(アスコルビン酸2-グルコシド配合の場合)
- ドラッグストアで購入可能な薬用もしくは医薬部外品の化粧水にも配合されている。
- 主に化粧水や美容液・乳化させて乳液やクリームタイプにも使われる
親油性(油に溶けやすいタイプ)
- 特徴:肌にゆっくり浸透して、持続的に作用する
- 肌への刺激が弱いため乾燥肌・敏感肌向け
- よく使われる成分:テトラヘキシルデカン酸アスコルビル(VC-IP)など
- 主にオイル美容液やクリームなど油分が多いアイテムに使われる
両親媒性(水にも油にもなじむハイブリッド)
- 特徴:水・油どちらの性質も持ち、肌なじみが良く浸透性もバランスがいい
- よく使われる成分:3-O-エチルアスコルビン酸(EAC)、パルミチン酸アスコルビルリン酸3Na(APPS)など
- 化粧水から美容液クリームまで幅広く使われる
- 価格的には5000円前後〜高価格帯のものによく使われる
補足
ビタミンC誘導体が何種類か配合れている化粧品もあります。
水溶性・油溶性・両親媒性といった性質の異なる誘導体を組み合わせることで、それぞれの特徴を活かしながら、肌への働きかけをより効果的にすることができます。
また、ビタミンC誘導体は「配合濃度」によっても肌への作用や使用感が大きく変わることがあります。
特に以下のような方は注意が必要です
- 肌が敏感になっているとき(季節の変わり目、花粉、日焼け後など)
- 乾燥肌・敏感肌で普段から赤みやひりつきが出やすい方
- 高濃度のビタミンC誘導体を初めて使う方リスト
刺激が心配な場合は、
- 少量から使う
- パッチテストを行う
- 濃度の低い製品から試す
など、肌の様子を見ながら段階的に取り入れるのがおすすめです。
実際に使っている基礎化粧品で解説
ここからは私が現在使っている化粧水を使って解説していきます。
商品名:ドクターシーラボ V100エッセンスローションEX
特徴 | マイクロ高浸透ビタミンC配合(パルミチン酸アスコルビルリン酸3Na) |
ビタミンC誘導体 | ・パルミチン酸アスコルビルリン酸3Na(APPS/両親媒性) ・アスコルビルリン酸Na(APS/水溶性) |
その他の有効成分 | ・ナイアシンアミド(整肌成分) ・ヒアルロン酸(保湿・整肌成分)・コラーゲン(保湿成分) |
おすすめな方(公式HPより) | ・透明感のある肌を目指す方・肌をやわらかく、なめらかに整えたい方・毛穴やキメが気になる方(乾燥によるもの) |
この化粧水には、2種類のビタミンC誘導体が配合されています。
ひとつは、水溶性のアスコルビルリン酸Na(APS)、
もうひとつは、水にも油にもなじむハイブリッド型のパルミチン酸アスコルビルリン酸3Na(APPS)です。
なかでも注目すべきは、パルミチン酸アスコルビルリン酸3NaAPPS。
公式サイトによると、「独自のマイクロ安定化技術」により、一定の濃度を保ちながら角層の奥まで浸透する処方になっているとのこと。
保湿成分も数種類配合されていて、
「乾燥によるくすみ・毛穴やキメ」が気になる人向けのようですね。
実際に自分に合った基礎化粧品を選ぶときは、パッケージや公式サイトにある「こんな方におすすめ」といった記載を参考にしてみると、すごくわかりやすいと思いますよ。
まとめ
ビタミンC誘導体にはいくつかの種類があり、
配合されている基礎化粧品もそれぞれに特徴があります。
「早く効果を感じたい」「乾燥肌でも使いたい」「透明感を出したい」など、あなたの目的や肌状態によって、選ぶべきアイテムは変わってきます。
今回のまとめで覚えておきたいポイントはこの3つ↓
- ビタミンC誘導体は不安定なビタミンCを安定化させた成分
- 水溶性・油溶性・両親媒性の3タイプがある
- 濃度やビタミンC誘導体の種類によって感じられる効果が変わってくる
ビタミンC誘導体配合の化粧品が気になった方は、一度どの種類のものが配合されているか、どんな効果があるのかをチェックしてみましょう。